「AIでデザインするって、なんだか難しそう…」そう感じる方もいるかもしれません。でも大丈夫です。この章では、AIデザインの世界を少しだけ覗いてみましょう。AIの基本的な知識に触れていきます。
最近よく耳にする「AI」。これは「Artificial Intelligence」の略で、日本語では「人工知能」と訳されます。簡単に言うと、「人間のように考えたり、学んだりするコンピュータープログラム」のことです。将棋でプロ棋士に勝ったり、自動運転で車を走らせたり、私たちの生活のすぐそばでAIは活躍しています。そして今、デザインの世界でも、AIは新しい可能性をどんどん広げています。
では、「AIデザインツール」とは何でしょうか? これは、AIの力を借りて「デザイン作業」を助けてくれたり「新しいアイデア」を生み出してくれたりするソフトウェアやオンラインサービスのことです。 例えば、第1章で試したように、言葉でイメージを伝えるだけで画像を生成してくれるツール。これはAIデザインツールの代表的な機能の一つです。他にも、写真の不要な部分を自然に消してくれたり、デザインのレイアウト案をいくつか提案してくれたり、配色を自動で考えてくれたりするものもあります。 まるで、プロのデザインアシスタントがそばにいてくれるような感覚です。今までデザインの専門知識がなくて諦めていた表現も、AIの助けを借りれば実現できる時代になってきました。
AIといえば「ChatGPT」を思い浮かべる人も多いでしょう。ChatGPTは、人間と自然な会話ができるAIで、文章を作ったり、質問に答えたりするのが得意です。画像生成AIとは得意分野が少し違いますが、無関係ではありません。ChatGPTのような「大規模言語モデル(LLM)」と呼ばれるAI技術が、プロンプト(指示の言葉)を理解する能力の向上にも繋がっているのです。AIの世界は、様々な技術が連携しあって進化しています。 この本で主に扱うのは、特に「画像生成」や「デザイン」に特化したAIツールです。これらを使えば、あなたの頭の中にあるイメージを、驚くほど簡単に形にすることができます。
さあ、いよいよ具体的なAI画像生成ツールの世界へご案内しましょう。 「百聞は一見に如かず」と言いますが、AIデザインツールも実際に触れてみるのが一番。ここでは、現在人気があり、比較的使いやすい主要なツールをいくつかご紹介します。 それぞれのツールには特徴があり、得意なことや操作感が少しずつ異なります。最初はどれか一つに絞って試してみて、慣れてきたら他のツールにも挑戦してみるのがおすすめです。
特徴: 芸術的で高品質な画像生成に定評があり、プロも愛用するツール。Discord上で動作する独特なインターフェースを持つ他、ブラウザでも使用可能。
特徴: 2025年にリリースされた最新の画像生成機能で、ChatGPTのインターフェース内で直接利用可能。多様なスタイルでの画像生成が可能で、ジブリ風やリアル画風などのスタイル変換に対応。
特徴: Googleが開発した高精度な画像生成AIで、写実的で高品質な画像生成に優れている。最新のImagen 4では、まるで実写のようにリアルで高精細な画像を数秒で生成可能。
特徴: Adobeが提供する商用利用に特化したツール。高速な画像生成と豊富な編集機能を備える。
特徴: オープンソースの画像生成AIで、高いカスタマイズ性が特徴。様々なモデルやオプションを選択できる。
特徴: テキストレンダリング機能に優れ、文字の出力ミスを極限まで減らした画像生成AI。ロゴデザインやポスター制作など、テキストを含むビジュアル制作に特化している。
特徴: 長文テキストでの画像生成に対応し、わずか数秒で高画質な画像を生成可能。同じスタイルの画像を一括生成でき、ベクター画像・ラスター画像の両形式に対応している。
特徴: 風景画、イラスト、写真、2D、3Dなどの多様な画像をハイクオリティで瞬時に生成可能。ゲームアセット生成に特化した機能も充実している。
特徴: 日本語入力に完全対応した画像生成AI。ダウンロード不要でウェブブラウザ上で直接利用でき、現在は1日最大200枚まで無料で画像生成が可能。
第1章でAIによる画像生成の面白さに触れ、この章ではAIやデザインツールの基本的な知識、そして具体的なツールについて見てきました。ここで少し視点を変えて、「AIと人間が一緒に何かを作り出す」ということについて考えてみましょう。
「AIが進化すると、デザイナーの仕事がなくなるんじゃないか…」そんな不安を感じる人もいるかもしれません。確かに、AIは人間にはできないスピードで大量のアイデアを出したり、複雑な作業をこなしたりします。 でも、思い出してください。AIはあくまで「ツール(道具)」です。ハサミやパソコンが私たちの作業を便利にしてくれたように、AIもまた、私たちの創造性を拡張してくれる強力なパートナーになり得るのです。
これからのデザインは、AIと人間がそれぞれの得意なことを活かし、協力し合う「協業」が当たり前になっていくでしょう。 例えば、