【Claude Codeに媚びるな】投資家×社長で設計するCLAUDE.md
2026. 04. 15
Claude Codeへの指示が通らないのは、書き方が丁寧すぎるからです。お願い調のCLAUDE.mdは、ほぼ全て無視されます。
よくあるNGなCLAUDE.md
先日、とある方から相談を受けました。内容はシンプルで「CLAUDE.mdを書いたのに指示がほとんど守られない」というものです。
見せてもらったCLAUDE.mdは、だいたいこういう書き方でした。
# お願い
- なるべくコードはシンプルに書いてもらえると嬉しいです
- できればテストも書いてほしいです
- 日本語で返してくれると助かります
- エラーが出たら教えてください
丁寧です。人間相手なら好感度の高い依頼文です。ただし、Claude Codeに対してはほぼ全て効きません。
理由は2つあります。
1つ目は、「なるべく」「できれば」「助かります」は条件として弱すぎること。Claude Codeは確率モデルなので、弱い条件は簡単に他の優先度に負けます。
2つ目は、主語がないこと。誰が誰に何を命じているのかが曖昧だと、Claudeは自分の裁量で最も一般的な振る舞いに寄せます。結果、あなたの業務と関係ない標準回答が返ってきます。
CLAUDE.mdは依頼文ではありません。業務規程です。
正しいメンタルモデル:あなたは投資家、Claudeは社長
私がCLAUDE.mdを書くときに置いているメタファーがこれです。
- あなた(ユーザー)= 投資家:目的・判断基準・禁止事項を提示する
- Claude Code = 社長:実行手段・手順・使うツールを全て自分で決める
投資家は現場にいちいち口を出しません。その代わり、何を達成してほしいかと何をやったら解任かだけを明確に伝えます。社長はその範囲内で最適な手段を自分で選び、結果責任を負います。
この関係を壊す指示が、冒頭の「お願い調」です。投資家が社長に「なるべくシンプルにしてもらえると嬉しいです」と言ったら、社長は「では自分の判断でやります」となる。そして勝手な方向に走り出す。まさに今、多くのCLAUDE.mdで起きていることです。
媚びない指示とは、失礼になることではありません。権限を正しく委譲することです。
Before / After:同じ要求を書き換える
Before(お願い調・無視されがち):
- コードをなるべくシンプルに書いてもらえると嬉しいです
- できればテストも書いてほしいです
- エラーが出たら教えてください
After(投資家→社長):
## 実装ルール
- 関数は20行以内。超える場合は分割する
- テストを書かないコードはコミット禁止
- エラー発生時は黙らず、原因・影響範囲・対応案を3点セットで報告する
## 判断権限
- ライブラリ選定、ディレクトリ構成、テスト戦略は社長(Claude)の裁量
- 仕様の解釈がブレる時のみ投資家(私)に確認
違いは3点です。
- 数値で縛る(「シンプル」→「20行以内」)
- 禁止を明示する(「書いてほしい」→「書かないとコミット禁止」)
- 権限の線引きを書く(何を自分で決めてよく、何を確認すべきかを明示)
これで初めてClaudeは「社長として動ける」状態になります。
配布されているCLAUDE.md・スキルに飛びつくな
Claude Code界隈でよくある失敗がもう1つあります。X等で流れてくる他人のCLAUDE.mdやスキルをそのままコピーして使うことです。
一見、効率的に見えます。実際、私も最初は他人のものを拾って貼っていました。ただし、結果から言うとほぼ全部外れます。
理由はシンプルで、CLAUDE.mdは業務規程だからです。他人の業務規程をあなたの会社に持ち込んでも機能しません。
- エンジニア向けに書かれたルールを非エンジニアが使う → コードレビュー視点で返ってきて意味が通じない
- 個人ブロガー向けのスキルを法人コンサルが使う → トーンが合わず顧客に出せない
- 英語圏の汎用テンプレを日本語業務で使う → 丁寧語と断定調が混ざって破綻
配布物は「他人の会社の業務規程」だと思った方がいい。参考にはなるけれど、コピペすると壊れます。
使うべきは「自分の業務ログ」
では何を元にCLAUDE.mdを書くか。過去1週間のあなたの業務ログです。
- どんな仕事を依頼したか
- Claudeの回答のどこにズレがあったか
- 人間側が毎回同じ修正指示を出していないか
この「毎回同じ修正指示」こそ、CLAUDE.mdに書くべき第一候補です。逆に言えば、自分の業務に出てきていないルールをCLAUDE.mdに書いても意味がないということです。
壁打ちで育てる:1日で完成させない
CLAUDE.mdを書き慣れていない人が陥るもう1つの罠が、「最初に完璧に書こうとする」ことです。
結論から言うと、無理です。人間の側も、自分が何を求めているのかを最初から言語化できているケースは稀です。だからCLAUDE.mdは毎日1行ずつ追記する運用で育てます。
私の運用はこうです。
- Claudeに仕事を依頼する
- 返ってきた出力がズレていた箇所を1つだけ特定する
- 「次回からこうしてほしい」をCLAUDE.mdに1行追記する
- 翌日また依頼する。別のズレが出たら、また1行追記する
これを2週間続けると、CLAUDE.mdはあなた専用の業務規程に育ちます。他人が見ても意味がわからない、自分だけの宝物になります。この状態になって初めて「Claudeが自分の右腕」と言える段階に入ります。
具体例:私の追記履歴
参考までに、私が過去2ヶ月で追加した項目の一部を載せます。
- 「削除は例外なくゴミ箱移動で代替する」 ← rmで資産を飛ばしかけた日に追加
- 「移動前に影響範囲をgrepで確認する」 ← mvしたら参照切れが多発した日に追加
- 「曜日は日本時間基準で算出する」 ← UTCで曜日計算してSlack投稿が1日ズレた日に追加
- 「体験談を捏造しない」 ← やっていない体験を一人称で書かれた日に追加
全て実際の失敗起点です。想像で書いたルールは1つも入っていません。
今日やること:CLAUDE.mdを1行だけ書き換える
ここまで読んだ方に1つだけお願いがあります。今日のうちに、あなたのCLAUDE.mdを1箇所だけ書き換えてください。
候補は3つです。
- お願い調を禁止命令に書き換える(「〜してほしい」→「〜禁止」or「〜必須」)
- 数値が入っていないルールに数値を入れる(「短く」→「◯字以内」)
- 権限の線引きを1行足す(「◯◯は自分で判断してよい/◯◯のみ確認する」)
どれか1つでいい。今日の夜、明日の朝、次にClaude Codeを開いた瞬間に出力が変わります。
CLAUDE.mdは、書けば書くほど「Claudeがあなたに媚びない」状態になります。媚びないClaudeこそ、本当の意味で仕事を任せられる社長です。投資家として、正しく権限を委譲してあげてください。
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