さっそく、AIデザインの世界へ飛び込みましょう。最初のステップは、あなたの「言葉」を「画像」に変える魔法の呪文「プロンプト」を使ってみることです。難しく考えないでください。まるで、AIにお願いごとをするような感覚で大丈夫です。
プロンプトとは、AIに「こんな画像を作ってほしい」と伝えるための指示文のことです。文章だったり、いくつかの単語の組み合わせだったり、その形式は様々あります。このプロンプトの書き方次第で、AIが生成する画像はガラリと変わるのでいろいろ試してみてください。
一番簡単なのは、「〇〇の絵」や「〇〇の写真」といったシンプルなプロンプトです。 例えば、
多くのAI画像生成ツールでは、テキスト入力欄にプロンプトを打ち込み、「生成」や「作成」といったボタンを押すだけで画像が作られます。
「猫のイラスト」だけだと、どんな猫が出てくるかAI任せになってしまいます。もう少し具体的に、あなたのイメージを伝えてみましょう。キーワードを足していくのがコツです。
AI画像生成ツールの中には、日本語よりも英語のプロンプトの方が得意なものもあります。もし、日本語でうまくいかないなと感じたら、簡単な英単語で試してみるのも一つの手です。 例えば、「a sleeping cat (眠っている猫)」や「blue sky, white clouds (青い空、白い雲)」といった具合です。翻訳サイトなどを活用するのも良いでしょう。
時には、AIがあなたの言葉をうまく理解できず、おかしな画像が出てきたり、何も生成されなかったりすることもあります。でも、それは失敗ではありません。AIとのコミュニケーションの練習だと思って、色々な言葉で試行錯誤を楽しんでください。 プロンプトのちょっとした違いが、思いがけない傑作を生み出すこともあります。それこそが、画像生成の醍醐味の一つなのです。
では、実際にプロンプトを入力して画像を生成してみましょう。ここではAdobe Firefly や OpenAI Sora、Google Imagenのような、比較的日本語の指示が通りやすいツールを想定して例を挙げます。
マグカップに入った温かいコーヒー、湯気が立っている
夏の晴れた日、ひまわり畑と青い空、入道雲
笑顔のかわいいロボット、手に花を持っている、アニメ風
AIに伝えるときは、「何が(被写体)」「どんな状態で(様子・行動)」「どんな雰囲気で(スタイル・画風)」といった要素を意識すると、イメージに近い画像が生成されやすくなります。 ただし、あまりにも長文すぎると、AIが混乱してしまうことも。最初は、伝えたいポイントを絞って、短い言葉で試すのがおすすめです。 あなたの最初の生成は何になるでしょうか。次のセクションでは、さらに一歩進んで、画像のスタイルや構図を指定する方法を見ていきましょう。
基本的なプロンプトでAIとの対話に慣れてきたら、次はもっとあなたの「こだわり」を画像に反映させてみましょう。ここでは、画像の「スタイル(画風)」や「構図」を指定する、少し応用的なプロンプトの作り方をご紹介します。
同じ「猫の絵」でも、水彩画風、油絵風、アニメ風、ピクセルアート風など、表現のスタイルは無限大です。AIに好みのスタイルを伝えることで、作品の雰囲気をガラッと変えることができます。
幻想的な水彩画風の、森の中の古城
浮世絵風の、森の中の古城
写真や絵画では、被写体をどこに配置し、どの角度から見るかという「構図」が非常に重要です。AIにも構図のヒントを与えることで、より意図した通りの、魅力的な画像を作り出すことができます。
ローアングルから見上げた、都会のビル群、夕焼け空
奥行きのある構図の、都会のビル群、夕焼け空
スタイルと構図のキーワードを組み合わせることで、表現の幅はさらに広がります。例えば、「サイバーパンク風の、雨に濡れた路地裏、ネオンサインが反射する水たまりをクローズアップ」のように、具体的なシーンを思い描きながら言葉を紡いでみましょう。
応用的なプロンプトは、最初はなかなか思い通りにいかないかもしれません。「こんなはずじゃなかった…」という画像が出てくることもあるでしょう。でも、それでいいんです!
ツールによっては、「こういう要素は入れてほしくない」という指示を出す「ネガティブプロンプト」機能がある場合もあります。例えば、「手を描いてほしくない」「文字は入れないで」といった指定ができます。これを使うと、意図しない要素が画像に入り込むのを防ぐのに役立ちます。
基本プロンプトでAIと友達になり、応用プロンプトでAIにあなたのこだわりを伝えていく。まるで言葉を操る魔法使いのようです。あなただけの「最高のプロンプト」を見つけ出す冒険は、まだ始まったばかりです。失敗を恐れず、どんどん実験してみましょう。 次は、AIが作ってくれた画像を、実際にデザインに組み込む第一歩を見ていきます。
AIで素敵な画像が作れるようになったら、次はその画像を何かに使ってみたくなりますよね。ここでは、AIが生成してくれた画像を、あなたのデザイン作品に組み込むための、本当に最初の第一歩をご紹介します。
ほとんどのAI画像生成ツールには、出来上がった画像を自分のパソコンやスマートフォンに保存する機能があります。「ダウンロード」や「保存」といったボタンを探してみましょう。保存する画像のファイル形式は、「JPEG(ジェイペグ)」や「PNG(ピング)」が一般的です。
一番手軽なのは、ワープロソフト(Wordなど)やプレゼンテーションソフト(PowerPointなど)、お絵かきソフトなどの「白紙のページ」に、保存した画像をコピー&ペースト(またはドラッグ&ドロップ)してみることです。
もしあなたが、もう少し本格的なデザインに挑戦したいなら、「デザインツール」と呼ばれるソフトウェアやオンラインサービスを使ってみるのがおすすめです。代表的なものには、
この第1章では、AIに言葉で指示して画像を生成し、それをデザインにほんの少しだけ取り入れてみる、という体験をしてきました。 もしかしたら、 「プロンプトが難しかった…」 「思ったような画像が全然出てこない!」 「保存した画像をどう扱っていいか分からない…」 と感じた方もいるかもしれません。でも、大丈夫です! 最初は誰でもそうです。大切なのは、「なんだか面白そう!」「ちょっと試してみようかな?」という好奇心です。 画像生成は、あなたの創造力を刺激し、新しい表現の可能性を教えてくれる、とてもエキサイティングな技術です。そして、それをデザインに活かすことは、あなたのアイデアを形にする素晴らしい手段となります。 この本は、そんなあなたの「やってみたい!」を応援するためのものです。 分からないこと、難しいと感じることがあっても、焦らず、少しずつ、自分のペースで進んでいきましょう。 そして何より、この新しいおもちゃを手に入れた子供のように、ワクワクしながら色々なことを試してみてください。次のコラムでは、AIデザインを楽しむ上で知っておきたい「著作権」について触れます。そして「第2章」からは、AIのもう少し詳しい仕組みや、デザインの基本的な知識について学んでいきます。