この話題がXでトレンド入りしました! https://x.com/i/trending/2031451028680311150 「Claude Code」の設定ファイルが、気づけば300行を超えていました。 「こう書け」「これは禁止」「この順番で処理しろ」。 ルールを増やすたびに、AIが賢くなった気がしていました。 でも実際に起きていたのは、AIが私の指示を守ることに必死になって、考えることをやめるという現象。 結局、99%のルールを消しました。 そして逆に、最高の仕事が始まりに…。
私はここ数ヶ月、「Claude Code」や「Codex」といったAIコーディングツールに、自分なりの設定ファイルを作り込んでいました。 CLAUDE.mdという設定ファイルに、「です・ます調で書け」「箇条書きは5個以内」「冒頭は問いかけで始めろ」と書く。 AIが期待通りの出力をしなかったら、ルールを追加する。 次に別の問題が起きたら、また追加する。 やっていることは、バグが出るたびにif文を足すプログラマーと同じでした。 300行を超えたあたりで、違和感に気づきました。 ルールが多すぎて、AIが「最適な解」ではなく「ルール違反しない解」を出すようになっていたのです。 たとえば「記事の構成はH2を4つ、まとめを含めて5セクション」と書いてあると、3セクションで十分な内容でも、無理やり5セクションに引き伸ばす。 「冒頭はデータで始めろ」と書いてあると、ストーリーで始めた方が自然な記事でも、不自然にデータを冒頭に差し込む。 ルールは「最低品質の底上げ」には効きます。 でも「最高品質の天井」を下げてもいました。
ある日、試しにほぼ全てのルールを消してみました。 残したのは3つだけです。
消した後に残ったものを見て、気づきました。 残っているのは「ルール」ではなく、「人格」でした。 「読者を当事者化しろ」ではなく、「私は読者の人生を変えたいと思っている人間だ」。 「専門用語を使うな」ではなく、「私は相手の目線に降りることを大切にしている」。 「CTAを入れろ」ではなく、「私は記事を読んだ人に、明日から行動してほしいと願っている」。 ルールは行動を制約します。 人格は判断の軸を与えます。 この違いは決定的です。 ルールは例外が出るたびに追加が必要ですが、人格は状況が変わっても判断基準がブレません。 たとえば「見出しは4つ」というルールは、3つでいい記事にも5つ必要な記事にも対応できません。 でも「読者が最短で理解できる構成を選べ」という思想なら、AIはコンテキストに応じて3つにも5つにもできます。
これは、人間のマネジメントと全く同じ構造です。 優秀な部下に、作業手順を1から10まで指示する上司がいます。 部下は指示通りに動きますが、指示にない状況が来ると止まります。 自分で考えることをやめているからです。 逆に、「このプロジェクトのゴールはこれ。あなたの判断を信じている。困ったら相談して」と伝える上司の下では、部下は自分で考え、時に上司の想像を超える解を出します。 AIも同じでした。 細かいルールでガチガチに縛るほど、AIは「指示を守る機械」になる。 思想とゴールだけ渡すと、AIは「考える相棒」になる。 私がやっていた300行のルール作りは、AIへのマイクロマネジメントだったのです。
ここで大事なのは、「AIの方が賢い」という前提です。 少なくとも、文章のパターン、構成の型、表現の引き出しにおいて、AIは私よりはるかに多くを知っています。 私が10年かけて学んだデザインの原則を、AIはすでに知っています。 私が3冊の本から得たマーケティングの知識を、AIは3万冊分持っています。 その相手に「こう書け」「ああしろ」と細かく指示するのは、百科事典を持っている人に「この3ページだけ読んで答えろ」と言うようなものです。 もちろん、AIが持っていないものがあります。 それは「私がどこに行きたいか」です。 ゴール、価値観、美意識、「こういう世界を作りたい」という意志。 これはAIにはわかりません。 だからこそ、渡すべきは手順書ではなく、方向性と思想なのです。
「私は、読者がAIを怖がるのではなく、AIと楽しく仕事できるようになってほしい」 この1文は、100行のルールより強力です。 AIはこの思想を理解し、記事のトーン、構成、具体例の選び方まで、全てをこの思想に沿って自分で判断します。
もしあなたがAIツールの設定に悩んでいるなら、こう考えてみてください。
ルールを増やしたくなるのは、AIを信じていないからです。 「放っておくと変なことをする」という不信感が、ルールの種になります。 でも実際は、今のAIは十分に賢いです。 少なくとも、文章を書く・コードを書く・構成を考えるという領域では、細かいルールがなくても「いい感じ」にやってくれます。 必要なのは、ルールではなく信頼です。 そして信頼の土台は、「自分が何を求めているか」を明確に言語化することです。 ゴールと思想を渡す。あとは任せる。 これが、私が300行のルールを消した先でたどり着いた、一番シンプルな結論です。 AIにマニュアルを渡すのではなく、哲学を渡す。 それだけで、AIは最高の相棒になります。