本記事は、渾身の企画やメッセージがなぜか相手に響かない、と悩むビジネスパーソンに向けて書かれています。 その根本原因が「伝える内容」や「伝え方」以前の、仕事の出発点そのものにあることを解き明かし、明日からの行動を変える具体的な思考法を提案します。
YouTubeでも同じテーマでお話ししました。 ながらインプットしたい方はぜひご活用ください。 https://youtu.be/Sh5zsbIWgEg 初の書籍が10/21に刊行されます。 ぜひ「AI × デザイン」を武器にしてください。 「AIでゼロからデザイン」のご予約はこちら
「このメッセージで、相手は動いてくれるだろうか?」 私たちは仕事において、日々何らかのメッセージを伝えています。それは企画書の一文かもしれませんし、顧客へのメール、あるいはチームメンバーへの依頼かもしれません。 しかし、多くの時間と労力をかけて練り上げたメッセージが、期待した反応を得られずに空振りする。そんな経験はないでしょうか。 まるで、目隠しをして的を狙うかのように、相手の顔が見えないまま、ただひたすらに矢を放ち続ける。この「当てずっぽう」の状態こそが、多くのビジネスシーンで成果が出ない根本的な原因です。 私たちはつい「何を伝えるか」「どう伝えるか」という「伝達行為」そのものに意識を集中しがちです。しかし、本当に重要なのは、その一歩手前にある「知る」という行為なのです。
仕事はほぼ知る行為である これは、あらゆるビジネスの根幹を貫く原理原則です。 ここで言う「知る」とは、単に情報をインプットすることではありません。伝える相手、使う道具、そしてそれらを取り巻く状況の「背景」と「文脈」を深く理解することを指します。 多くのマーケティング失敗事例は、この「知る」という行為の欠如から生まれています。消費者の声を無視して大失敗に終わったキャンペーンや、顧客が本当に求める価値を見誤った製品開発などがその典型です。 これらは全て、「顧客を理解しているつもり」で、実際にはその内面にある本当の動機や悩みを「知ろう」としなかった結果と言えるでしょう。
あなたが「鮭おにぎり」を売ろうとしている場面を想像してみてください。 相手の状況を知らないままでは、できることは「おにぎりいかがですか?」と声をかけることだけです。 しかし、もし相手について知っていたらどうでしょうか?
この原理は、対人コミュニケーションに限りません。私たちが日々使う「道具」に対しても全く同じことが言えます。 例えば、新しいAIツールを導入したとしましょう。 そのツールの特性や機能を深く「知る」前に、「どう使おうか」と考えても、的外れな活用法になりがちです。 まずは、そのツールがどのような思想で開発され、どのような課題を解決するために作られたのかという背景を徹底的に知る必要があります。 取扱説明書を読まずに使い始めることができる優れたプロダクトも存在しますが、それはプロダクト自体のデザインが秀逸なのであり、私たちの能力が高いわけではありません。 ビジネスで成果を出すためには、まず対象(人、道具、市場)を徹底的に調査し、理解するというステップが不可欠なのです。
相手を知るのが重要だとは分かっている。 しかし、そのための時間も予算もない これまでは、そうかもしれませんでした。ユーザーインタビューには多大なコストがかかり、市場調査は専門知識を要するものでした。 しかし、現代において、この状況は劇的に変わりつつあります。その最大の要因がAIの進化です。 AI、特に生成AIを活用することで、「知る」ためのハードルは劇的に下がりました。
もし、あなたの仕事が思うような成果に結びついていないと感じるなら、一度「何を伝えるか」から離れてみてください。そして、ただ一点に集中するのです。 「私は、相手のことをどれだけ知っているだろうか?」 この問いこそが、すべての始まりです。 仕事とは、暗闇の中でやみくもに矢を放つことではありません。相手という「的」を徹底的に知り、理解し、そのど真ん中を射抜くための確かな一手を導き出す知的探求のプロセスです。 まずは、次の仕事に取り掛かる前に、たった5分だけ時間を作ってみてください。そして、メッセージを届けたい相手について知っていることを3つ書き出すのです。もしすぐに書き出せなければ、そこがあなたの新しい出発点になります。 相手を知り、背景を知り、文脈を知る。その先にこそ、人の心を動かし、ビジネスを前進させる本質的な力が眠っています。仕事の9割は、「知る」ことから始まるのです。 初の書籍が10/21に刊行されます。 ぜひ「AI × デザイン」を武器にしてください。 「AIでゼロからデザイン」のご予約はこちら